「小っさいオッサンの正体」
以前のブログで、私の眼の錯覚から「小っさいオッサン」が見えたような気がしたと書きました。
勿論そんなことは現実にある訳がないのですが、何故そんな話に発展したかという補足をしておきます。
ある日私は、食べ残したパンの欠片を台所のテーブルに置いたままにして消灯しました。
翌日そのことを思い出したのですが、どこにも欠片が見当たりません。
家人に尋ねたところ、誰も知らないといいます。
となると、考えられることは・・・ネズミ。
ただ、ネズミにしては少々おかしな点がありました。
というのは、他の食物に一切手がつけられていなかったのです。
流し台の野菜、テーブルには袋入りのパンやお菓子、それらは物色した形跡すらありません。
私が食べ残したパンの欠片、それだけがなくなっていたわけです。
それでもやっぱりネズミだろうということになって、早速粘着式のネズミ捕りを買ってきました。
ところが、何日たっても掛ってくれません。
ある時、試しにネズミ捕りの真ん中と、そこから5センチぐらい離してパンくずを置いてみたのです。
すると翌朝、そばに置いたパンくずだけがなくなっていました。
ネズミ捕りの位置は全くずれていません。
「ネズミって、こんなに頭が良かったのか?」
すると父が、天井を走る音がネズミにしては大きすぎると言い始めました。
そんなときに私が、仏壇で位牌の後ろに何か隠れたと言ったものですからもう大変。
小っさいオッサンに間違いないと、我が家限定で大盛り上がりしてしまいました。
そんなある日のことです。
我が家の台所には、冷蔵庫の上の辺りに大黒さまと恵比寿さまが祭ってあります。
そのうちの大黒さまが冷蔵庫の上に落とされているではありませんか。
(なんて罰当たりな・・・)
今度は冷蔵庫の上にネズミ捕りを仕掛けてみました。
しかし何日経ってもネズミ捕りはそのまま、それでも抑止力にはなるだろうと思ってそのままにしておきました。
そして昨日のことです。
久しぶりに冷蔵庫の上を覗いてみると、私が置いた位置にネズミ捕りがありません。
次に私の視野に入ったのは、位置がずれてしまったネズミ捕りの中にいる巨大な生物の死骸でした。
「何だ!これは?」
こんなに大きなネズミを見たのは何十年ぶりのことです。
胴体が20センチくらい、尻尾も入れると30センチはあるでしょう。
(流石にモノがモノですので、画像を掲載することはやめました)
幼少の頃、金網式のネズミ捕りにかかったネズミを、近所のおばさんが川で水死させていました。
そのおばさんたちは今でも老婆として健在ですが、その時以来の衝撃を受けてしまったのです。
最近のネズミは、うちの猫が遊び半分に捕まえてくる体長5センチくらいのものが殆どだったからです。
こちらでは「コギシロ」という方言で呼んでいる、カンガルーのミニチュア版のようなネズミです。
何はともあれ、小っさいオッサンの正体は、デッカいネズミだったというお話でした。
お後がよろしいようで。